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【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン

2023/9/18公開

聞こえないヴァイオリン

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン1

これは、

耳の聞こえない少年が言葉を届ける話しーーー

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン2

僕は生まれつき耳が聞こえない。

本当は、高い音だけちょこっと聞こえるんだ。

でも、聞こえない方が良かった。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン3

だって、

今日も僕を見て笑う「空気」が聞こえてくる。

なにも言い返せない。

上手く話せないんだもん。

余計バカにされる。

音なんて嫌いだ。

音なんて、無くなってしまえ!

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン4

圧倒的な劣等感。

助けてくれるお母さんへの罪悪感。

救われないモヤモヤがずっと心をおおっている。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン5

だから、友達なんていない。

ずっと一人で遊んでるんだ。

動画だって見れるんだよ?

音が無くたって、文字が読める。

みんなの表情でわかるんだ。

実は、毎日見ているんだ。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン6

でも、今の今まで、

ずっと避けていた動画がある。

そう、音楽。

見てもむなしくなる。

ーーーそう思ってた。

だから避けてたんだ。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン7

今日は、なぜか違った。

モヤモヤを晴らしたかったから?

ただの気まぐれ?

わからないけど、

つい動画をタッチしてしまった。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン8

そこには、

大人数でいろんな楽器を持って演奏する人たち。

指揮をしている人は、

悲しそうな顔をしたり、怒ったり。

何がいいたいか、すごくわかるんだ。

言葉がなくても「伝わる」と、

初めて感じることができた。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン9

鳥肌がたった。

指揮者が両腕を横に振り投げた瞬間、

演奏家の動きが一斉に止まる。

時間が止まった?

そう錯覚してしまった。

次の瞬間、

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン10

観客が一斉に立ち上がる。

聞こえなくてもわかる。

いや、聞こえてくるんだ。

割れんばかりの、拍手と歓声!

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン11

いてもたってもいられなくなった。

僕だってやりたい。

みんなばっかりずるい。

初めての感情だった。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン12

まいにち、まいにち、

ずっとコンサートの動画を見た。

お母さんは、

悲しそうで、

不思議そうな顔だった。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン13

でも、いいんだ。

もっとあの感覚を体験したかった。

耳が聞こえない、

僕の音楽。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン14

ある日、お母さんからもらった大きな箱。

誕生日でもないのに、もらったプレゼント。

ガサゴソ、バリバリ。

ワクワク、ドキドキ。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン15

箱を開けると、そこにはいつも見ていたヴァイオリン。

初めての感覚だった。

「話すのが嫌だ」

「伝わらない」

そう思っていたのに、

自分から伝えてみたいと思えた。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン16

誰かに自分の想いを届けたいと思った。

僕のヴァイオリン。

宝物だ。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン17

初めて持つ弓。

しっくりこない。

ヴァイオリンにこすりつけてみる。

どんな音が出ているかわからない。

でも、

嬉しかった。

楽しかった。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン18

お母さんもずっと僕について、

手を取りながら教えてくれた。

ずっと、ずっと、ずっと、

ヴァイオリンを握っていた。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン19

学校でバカにされたって、

近所の人にヒソヒソされたって、構わない。

あいつらの声なんて聞こえない。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン20

ヴァイオリンの音だけが、

僕に届くようになった。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン21

僕だけじゃない、

あの星にも届くはずだ。

僕のヴァイオリンは聞こえなくたって、

どこまでも届くんだ!

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン22

部屋の中に響くヴァイオリンの音。

僕には聞こえないけど、心の中で響き渡る。 

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン23

それは、まるで魔法のような感覚だ。

ヴァイオリンを弾くと、

別の世界に足を踏み入れるような気がした。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン24

お母さんは、僕がヴァイオリンを弾く姿を見て、微笑むようになった。

お母さんは僕に、

「君のヴァイオリンは、話しかけてくる。」と。

僕はおしゃべりになったみたい。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン25

近所の公園には、僕の秘密の場所がある。 

大きな木の下、僕はヴァイオリンを持ってよく遊びに行くようになった。

そこで、風や鳥たち、自然の音と一緒にヴァイオリンを弾く。

あの動画のように、演奏しているようだ。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン26

いつか、公園でヴァイオリンを弾いていると、バカにしていた友達が通りかかる。 

彼らは、僕のヴァイオリンの音に興味津々。

ずっと聞いている。

次の日も、次の日も。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン27

気づいたら、僕を見て「笑う」空気は無くなった。

ずっと僕の音を聞いてくれて、拍手を送ってくれる。

言葉は無くても、ヴァイオリンと拍手で言葉を掛け合っている。

それは、

まるで最高の友達だった。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン28

ヴァイオリンと一緒に、僕は新しい世界を発見し続けていた。

そして、

僕は知った。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン29

音楽は、言葉を超えてみんなの心に届く力がある。

そして、その力を持っているのは、僕だけじゃない。

音楽を愛するすべての人の心に、その力は宿っているんだと。

僕のヴァイオリンは、

これからも続いていく。

【クラシック・絵本・AI】聞こえないヴァイオリン_シーン30

そして、言葉は、

どこまでも届くんだ!

ご挨拶

最後までご視聴いただき、誠にありがとうございます!

主人公はノアという少年で、難聴と戦いながら音楽の道を突き進んでいく姿を描いています。ベートーベンのような過去の偉人をモチーフに、現代的なストーリーを展開していく予定です。次回作もご期待くださいませ。

本作品はクラシック音楽に合わせて、YouTubeでも公開しています。今後、若手演奏家のサポートに本コンテンツを活用していきますので、ぜひ応援いただけると幸いです。